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「宇宙基本計画」の骨子 日本の宇宙戦略を議論 [宇宙法]



今日(27日)、政府の宇宙開発戦略本部(本部長・麻生首相)に設置された専門調査会が首相官邸で開催されます。

来年5月に取りまとめられる「宇宙基本計画」の骨子について検討される予定です。宇宙基本計画は、今後5年間の日本の宇宙開発と利用に関する基本方針を定めるもの。日本の宇宙政策の「国家戦略」を打ち出します。


注目すべき点がいくつかあります。

第一に、宇宙開発を外交のツールとしてもっと活用しようという点。
ミャンマーのサイクローン被害や中国四川省の大地震。このような大災害が起きたとき被害状況を早く把握することが重要です。しかし、現地は混乱していて地上からは被害状況を把握できません。そこで、人工衛星が役立ちました。宇宙から被災地を写真撮影し、被災前と被災後の写真を見比べることで被害状況を一挙に把握することができました。また、地震によって川がせきどめられてできる「地震湖」の発生と決壊の危険性を監視し、被害の拡大防止にも役立ちました。このような衛星写真の提供を通じて国際協調を図りました。

今後も、宇宙開発を外交や国際協調のツールとしてもっと活用していこうという方針が明らかになります。たとえば、人工衛星が地球温暖化の状況を監視できるようになりますので、地球規模の環境データを諸外国に提供して、国際協調の下で地球温暖化に対処することなどが期待されます。


第二に、宇宙を防衛目的で利用しようという点。
新たなスパイ衛星(情報収集衛星)の打ち上げなど、宇宙の防衛利用が図られます。これに関連して、開発が難航しているGXロケットをスパイ衛星などの打ち上げを主に担う「安全保障ロケット」と位置付けて、ロケット開発を継続する方針を決めます。実は、このGXロケットは今年5月、文部科学省の宇宙開発委員会が「開発は失敗」として開発中止を勧告しています。しかし、宇宙開発戦略本部は、GXロケットの開発を続けたい意向のようです。難しい政策判断であり、今日の専門調査会の議論が注目されます。


そのほか、新しい宇宙開発体制の構築や「宇宙活動法」の制定など法整備が着々と進められます。僕ヒロもこのような法整備にかかわって、日本の宇宙開発利用の発展・振興の一助になれたらと思っています。


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