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ドンキ前社長が逮捕される!法律の改正を知らなかったという弁解は通用しない [時事問題]


“ドン・キホーテ”の運営会社の前社長が昨日、東京地検特捜部に逮捕された。

逮捕容疑は「取引推奨」という金融商品取引法違反である。


取引推奨という言葉を初めて聞いたという人が多いだろう。なぜなら、2013年の法改正で新設された犯罪だからだ。


前社長の逮捕容疑を簡単に言えば次のとおりだ。

ドン・キホーテの運営会社は、優良企業の買収などを計画しており、それを公表すれば運営会社の株価が急上昇することが見込まれていた。そこで、前社長は公表前に知人男性に「株を買え」と運営会社の株を買うように勧めた。知人は株を買った。その後、企業買収の計画が公表されると株価が急上昇。知人は高値で株を売り、数千万円の利益を得た。なお、前社長は容疑を否認している。


このように会社の内部情報を知る前社長が、知人に利益を得させる目的で、内部情報の公表前に株を買うように勧める行為を「取引推奨」と言い、2013年の法改正で禁止された。違反すると5年以下の懲役や500万円以下の罰金となる(金融商品取引法167条の2、197条の2参照)。


“インサイダー取引”が犯罪であることは広く知られているだろう。今回の件で、もし前社長が自ら株を買えばインサイダー取引として処罰される。しかし、前社長は自ら株を買うのではなく、知人に株を買うように勧めただけである。インサイダー取引ではない。

とはいえ、前社長の勧誘により知人は内部情報の公表前に株を買い、多額の利益を手にしたのであるから、株取引の公正を害する行為であることに変わりない。そこで、取引推奨も禁止され、処罰されることになった。なお、処罰されるのは前社長だけであり、知人は処罰の対象とならない。


2013年の法改正でできた犯罪であるから、もしかしたら前社長は処罰されることを知らなかったかもしれない。でも、「法の不知は許さず」というルールがあり、法改正を知らなかったという弁解は通用しない。

会社の経営陣がひとたび法律に違反する行為をすれば、投資家や消費者から厳しい目が向けられる時代である。コンプライアンス(法令順守)の意識を高く持ち、法律の改正に常に注意することが求められる。


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